物流革新に向けた政策パッケージ
2023年3月31日に岸田首相から物流業界は、何も対策を講じなければ、物流が停滞しかねないという、いわゆる『2024年問題』に直面している。1年以内に具体的な成果が得られるよう、6月上旬をめどに緊急に取り組むべき、抜本的で総合的な対策をとりまとめてほしいという指示を受けて、我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議で6月2日に物流革新に向けた政策パッケージが決定されました。その内容は、荷主企業、物流事業者(運送・倉庫等)、一般消費者が協力して物流を支える環境整備を行うとしています。①商慣行の見直し、②物流の効率化、③荷主・消費者の行動変容、を盛り込んだ物流革新に向けた政策パッケージとして策定され、2024年の次期通常国会で法制化も含めた規制的措置を具体化するとしています。
その内容について、以下、触れていくことにします。
【目次】
1.商慣行の見直し
2.物流の効率化
3.荷主・消費者の行動変容
4.まとめ
5.お知らせ
1.商慣行の見直し
①荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減
これらを解決するためには、発荷主企業、物流事業者、着荷主企業が連携・協働して、改善を図る必要があります。3社が、物流負荷の軽減に向けた計画作成や実施状況の報告を行い、取組みが不十分な事業者に対して、勧告、命令等を行う規制的措置導入を行うとされています。
国土交通省、経済産業省、農林水産省などの関係省庁が、ガイドラインを示し、大手の荷主企業・物流事業者が業界・分野別に自主行動計画を作成し、荷待ち・荷役等の範囲を明確化し、正当な対価の収受を促進するとされています。
②納品期限、物流コスト込み取引価格等の見直し
また、物流サービスや需給状況に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングの推進取組みも挙げられています。
③物流産業における多重下請構造の是正
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④トラックGメン(仮称)の設置
⑤担い手の賃金水準向上等に向けた適正運賃収受・価格転嫁円滑化等
⑥トラックの標準的な運賃制度の拡充・徹底
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2.物流の効率化
DXによる物流効率化、生産性向上、モーダルシフトによる脱炭素化を進めるための物流の標準化、輸送の安全確保、人材の活用・育成を推進していきます。
①即効性のある設備投資の促進
②物流GXの推進
③物流DXの推進
④物流標準化の推進
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⑤物流拠点の機能強化や物流ネットワークの形成支援
⑥高速道路のトラック速度規制の引上げ
⑦労働生産性向上に向けた利用しやすい高速道路料金の実現
⑧特殊車両通行制度に関する見直し・利便性向上
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⑨ダブル連結トラックの導入促進
⑩貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し
⑪地域物流等における共同輸配送の促進
⑫軽トラック事業の適正運営や安全確保
⑬女性や若者等の多様な人材の活用・育成
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3.荷主・消費者の行動変容
2024年問題に対する荷主企業、消費者の認知度はまだ不十分であるため、単なる広報活動にとどまらない新たな取組みが必要とされています。
①荷主の経営者層の意識改革・行動変容
② 荷主・物流事業者の物流改善の評価・公表
③消費者の意識改革・行動変容を促す取組み
④再配達率「半減」を含む再配達削減
⑤物流に係る広報の推進
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4.まとめ
さすが、首相の肝いり案件だけあって1つ1つをとっても素晴らしい内容がまとまったと思っています。なぜ、今までこのようなことができていなかったか?ということの議論はなしにして、今から1つ1つ実行することが大切だと思います。すべて完全にやりきるのが望ましいことでしょうが、利害関係者が多岐にわたる案件など実施までの道のりが難しいものもありますので、できることから潰していってほしいと思っています。物流の問題は、物流だけでは解決できず、周りの利害関係者を巻き込んで、多少、譲歩してもらいながら進めていくことが肝要です。
5.お知らせ
当事務所は、運輸・物流専門の行政書士事務所として、貨物運送業・利用運送業(第一種・第二種)、軽貨物運送業の許可・認可及び倉庫業許可・登録を行っています。運送業・倉庫業に興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせをお願いいたします。許認可取得だけでなく、開業後の業務運営や運賃設定、運賃交渉のやり方、元請運送事業者の紹介、法律で定められた書類作成の支援などをサポートさせて頂きます。
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