①物流情報(貨物運送)

台風時の輸送中止判断の目安


最終更新日 2023年11月27日



昭和や平成の時代は、お客様の生産ラインがストップする、材料の配達が間に合わないと工事ができなから何が何でも持ってこい。という時代でしたが、台風で暴風・大雨洪水の危険性がある中で輸送を継続することはドライバーの生命の危険性にさらされます。現在は、JRなどの鉄道各社においても台風時には事前の予報を元に計画運休を行ったり、デパートやスーパーなどのサービス業でも従業員を危険から守るために台風時には臨時休業を事前に決めたりしています。
昨今の台風等異常気象時において運送事業者が輸送の安全を確保できない状況下で荷主に輸送を強要され、強風によるトラック横転事故が発生しており、ドライバーの生命・身体の危険にさらされています。ドライバーが輸送中の事故により負傷した場合は、運送事業者は行政処分を受け、平常時の運行がまともにできなくなります。このような状況を踏まえ、国土交通省は令和2年(2020年)2月28日に台風等による異常気象時下における輸送の輸送の安全を確保するための措置を講じる目安の設定を策定し、通達を発しています。

下記の表のように、雨や風等の強さに応じた車両へ与える影響を示すとともに、輸送の安全を確保するための措置を講じる目安について定めています。

輸送を中止しないことを理由に直ちに行政処分を行うものではないが、国土交通省が実施する監査において、輸送の安全を確保するための措置を適切に講じずに輸送したことが確認された場合には、運送事業者が行政処分になる場合があります。
運送事業者等が気象情報等から輸送を中止することとした場合には、直ちに荷主等へ報告し、安全な輸送を行うことができない状況であるにもかかわらず、荷主に輸送を強要された場合には、国土交通省に設置する意見募集窓口等に通報できるようにしています。

令和元年の貨物自動車運送事業法の改正により無理な輸送を強要する荷主に対して、国土交通大臣が荷主に対して違反行為の再発防止のための適当な措置を執るように勧告することができます。過積載運行や過労運転防止措置義務違反に加えて輸送の安全確保義務違反を招くおそれのある異常気象時に、安全な運行の確保が困難な状況で運行を強要するような行為も荷主勧告の対象となります。

・荷主配慮義務・荷主勧告制度(令和元年貨物自動車運送事業法の改正)

 

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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。