①物流情報(貨物運送)

運送業許可に必要な役員法令試験


最終更新日 2023年11月27日


役員法令試験
旅客運送業(バス、ハイヤー、介護タクシー)、貨物運送業の許可を取得するためには役員法令試験にパスしなければなりません。役員法令試験とはどのようなものか、パスするためにはどのような対策を行えばよいかについて説明していきます。今回は、近畿運輸局管内の貨物運送業の役員法令試験を中心に説明します。旅客の場合や近畿運輸局管内以外は、若干、運用が異なる場合もありますのでご注意ください。

1.役員法令試験とは

役員法令試験とは
運送業(旅客・貨物)の許可を取得する際に常勤役員が受験しなければならない試験のことをいいます。近畿運輸局の場合、旅客は毎月1回、貨物は2か月に1回奇数月に実施されます。貨物の場合は、偶数月末日までに申請が受け付けられた場合には、翌月奇数月に受験することができます。10月末までに申請受付が行われた場合には、11月の役員法令試験を受験することができますが、11月に申請受付された場合には翌年の1月の受験になってしまいますので、申請のタイミングを考えながら進めていく必要があります。
 

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2.役員法令試験受験の案内

役員法令試験の案内
運輸支局で申請受付がされた後に、申請控えと一緒に役員法令試験の案内と受験番号が渡されます。法令試験を受験する役員を決定して運輸局に受験者の属性(生年月日、住所)を記入して通知します。試験会場は運輸支局ではなく近畿運輸局(大阪市中央区大手前4-1-76)での実施になります。2か月に1回の役員法令試験の日程を振替することはできず、受験できなかった場合は不合格扱いになります。
 

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3.受験者数と合格率(近畿運輸局 貨物運送の場合)

受験者数と合格率
令和2年7月から令和5年11月までの21回分の受験者数・合格者数・合格率の一覧表を作成いたしました。延べ932人受験し747人が合格していますので、合格率は80.2%となっています。合格率の数字から見て難しいわけではないが、運送業を許可するにあたって申請者の本気度を見ようという趣旨もあり、対策を行わずに受験した場合は、合格することができないような試験内容です。
 
役員法令試験合格率
 

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4.出題科目、問題数、時間

出題科目問題数時間
出題科目は、下記の13の法令になっています。この中で貨物運送事業法が8~9問、貨物運送事業法を補足する施行規則、安全規則、報告規則関係をあわせると24問程度あります。8割は貨物運送事業法に関連する出題になります。残り6問が道路運送車両法や道路交通法等で独占禁止法や下請法は出題されない回もあります。
試験時間は50分で、30問中24問正解すること(80%以上の正答率)で合格となります。25問から30問までの6問は大問制になっており1問に小問が3つ程度あります。すべてに正解しないと大問1問の正解とならないので注意が必要です。
 
役員法令試験の試験科目
 
問題形式
 

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5.法令集の貸出しがある

法令集
細かな数字まですべて覚えないといけないのか?ということですが、試験当日に法令集の貸与があります。設問の内容を理解したうえで、あやふやな部分は法令集を検索することで〇Xの判断がつきますので、細かな数字まで逐一覚えておかなくても大丈夫です。ただし、試験時間が50分しかないため全部、法令集を調べていると時間が足りなくなってしまいます。ある程度は、理解したうえで、あやふやな部分のみ法令集で条文をチェックするようにしておくことが肝要です。
 

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6.不合格になった場合はどうなるのか

不合格になった場合
法令試験で不合格になってしまった場合は、翌々月に実施される次回の試験を受験することができます。2回不合格になってしまった場合は、申請そのものを取り下げて再申請をしなければならなってしまいますので注意しましょう。
 

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7.運行管理者の有資格者は有利

運行管理者①
役員法令試験の独禁法、下請法以外の法令は運行管理者試験の試験範囲と同一になっています。運行管理試験合格者は、役員法令試験の内容をひととおり勉強しているので大変有利になります。役員が複数いる場合は、運行管理者の資格をもっている役員に受験してもらうと比較的スムーズに乗り切ることができます。ただし、運輸の現場から長期間離れている場合などは、貨物運送事業法など一度、勉強した内容を忘れてしまっていることもありますので、その場合は、短期間でもう一度、勉強していくかたちになります。
 

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8.当事務所では役員法令試験の対策を実施しています

役員法令試験の対策を実施
当事務所では、貨物の場合は2年分、旅客の場合は1年分の法令試験過去問をお渡ししています。また、希望者には、マンツーマンでの法令試験レクチャーも行っています。当事務所の代表自身も運行管理者の資格を有しており専門知識を有しており、短期間でピンポイントを押さえた試験対策を行っていますので、役員法令試験の前にはぜひ、個別レクチャーを利用ください。
 

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9.お知らせ

お知らせ②
当事務所は、運輸・物流専門の行政書士事務所として、貨物運送業・利用運送業(第一種・第二種)、軽貨物運送業の許可・認可及び倉庫業許可・登録を行っています。運送業・倉庫業に興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせをお願いいたします。許認可取得だけでなく、開業後の業務運営や運賃設定、運賃交渉のやり方、元請運送事業者の紹介、法律で定められた書類作成の支援などをサポートさせて頂きます。
 

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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。