⑤コラム

【コラム】完全自動運転を見据えた次世代の倉庫


最終更新日 2023年11月27日



東京駅八重洲パーキングを初めて利用したときは衝撃をうけました。何と、パーキングの出口と首都高速のインターチェンジが直結していて一般道を走ることなくそのまま高速道路に直結しているのです。通常、ターミナル駅の場合は近くの高速道路ICまで信号待ちを含めて5分程度走らなければなりませんが、このロス時間がなく、直接、高速道路に入れる便利さは計り知れないものがあります。
新名神高速道路の大津IC(滋賀県)から城陽IC(京都府)が2024年度に完成、2027年度に八幡京田辺IC(京都府)から高槻IC(大阪府)が完成して全線が開通します。
この大津ICと城陽ICの間に宇治田原IC(京都府)がつくられ、そのICから一般道に出ることなく直結した京都府城陽市東部丘陵地青谷先行整備地区に倉庫を建設する計画が決定し、関西では大きな話題になっています。

その概要は、宇治田原IC物流拠点整備計画と呼ばれ、三菱地所、東急不動産、城陽東部開発有限責任事業組合、伊藤忠商事の4社が日本初となるIC直結の次世代期間物流施設を開発します。計画では5棟の倉庫で延べ555,000㎡の物流施設とICから物流施設への直結型専用ランプウエイを整備する計画で2026年の完成が予定されています。
青谷先行整備地区A街区(敷地面積119,000㎡)には、三菱地所が1棟277,000㎡のマルチテナント型物流施設を建設する予定です。B街区(敷地面積86,200㎡)と宇治田原町区域のIC北区域(36500㎡)は城陽東部開発有限責任事業組合と伊藤忠商事が基盤整備し、東急不動産が物流施設します。B街区には3棟総延べ193,000㎡、IC北区域には1棟延べ85,000㎡の倉庫が建設される計画です。そしてこれらの倉庫に直結する専用ランプウエイ560mは三菱地所と東急不動産が共同で整備します。

これらの物流施設は、まさに自動運転や隊列走行トラックなど新しい物流システムに対応した次世代の倉庫のです。日本でも、ルートや速度など、特定の条件付きでドライバーが不要となる自動運転レベル4が2023年4月から解禁され、三井物産が80%出資する株式会社T2による大型トラックを使った実証実験が千葉県内の高速道路で行われました。同社は、2025年に東京から大阪間で自動運転トラックの事業化を予定しています。
このように自動運転の実現が2年後に迫ってきています。
自動運転レベル4は人の飛び出しがない、高速道路での走行に限定されています。高速道路のICまでは有人走行になりますが、今回の宇治田原ICと直結する物流施設であれば、その倉庫までは有人走行なしで走れることになります。
仮に自動運転をせず有人走行であっても高速道路直結で一般道を数km走ることがなくなるため、ドライバーの運転負荷、迂回ロスの時間がなくなるためかなり使い勝手のよい物流施設になります。
いまからかなり注目が集まっています。2026年の完成時にはどのような荷主企業が入るのか楽しみです。

当事務所は、運輸・物流専門の行政書士事務所として、貨物運送業・利用運送業(第一種・第二種)、軽貨物運送業の許可・認可及び倉庫業許可・登録を行っています。運送業・倉庫業に興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせをお願いいたします。許認可取得だけでなく、開業後の業務運営や運賃設定、運賃交渉のやり方、元請運送事業者の紹介、法律で定められた書類作成の支援などをサポートさせて頂きます。

・行政書士 楠本浩一事務所のホームページTOP

 

 

ページのトップに戻る

合わせてこちらもお読みください

・運送業開業マニュアル
・利用運送開業マニュアル
・倉庫業開業マニュアル
・運送業コンプライアンスマニュアル(運送業2024年問題対応)
・物流特殊指定マニュアル

 

 

 

 

 

 
ページのトップに戻る

 

 

 

 

 

 

 

 


   ⑤コラム 

Generic selectors
完全一致検索
タイトルから検索
記事本文から検索
 お問い合わせ
contents
カテゴリー

楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。