④物流情報(その他)

都市型ハイヤー 駐車場(車庫)要件が大幅に緩和されました


最終更新日 2023年11月23日


都市型ハイヤー 車庫要件が大幅に緩和
都市型ハイヤーやタクシー(一般乗用旅客自動車運送事業)の許可及び事業計画の変更、譲渡譲受、合併、分割又は相続、運送約款の認可等の申請についての許可要件が令和5年(2023年)10月31日付で改定されました。同日付で近畿運輸局長 日笠弥三郎名で公示されています。
主な改定内容は、①車両と車両の間隔②賃貸借期間③その他要件で、いずれも従来ルールから緩和されました。今回の規制緩和に伴い、都市型ハイヤー事業開始にどのような影響があるのかを解説していきます。都市型ハイヤー開業にあたってわからないところがあったり、詳しく聞きたい場合は、当事務所までお問い合わせください。
国土交通省からの通達に基づく許可要件の緩和で各地方運輸局での公示となっていますので、全国ほぼ同じ内容で改定されることとなりますが、細部については各地方運輸局で一部異なることもあることから本件は近畿運輸局の許可要件についての記載となります。

・駐車場(車庫)・営業所の賃借要件緩和について詳しく見る

1.当事務所は、旅客運送業・貨物運送業を取り扱う【車の許認可】専門の行政書士事務所です

車の許認可専門行政書士
当事務所は、都市型ハイヤー介護タクシー、タクシー、観光バスといった旅客運送業、トラック運送事業の許認可や経営サポートを行う【車の許認可】専門の行政書士事務所です。運送事業者の経営を熟知していますので、単なる許認可の書類作成・申請だけではなく、許可申請時には、駐車場(車庫)の物件探しの相談、役員法令試験・運行管理者試験のサポートをさせていただいております。許可取得後は、運輸開始前届、運賃・約款届出、1年ごとの事業報告書の作成まで請け負わさせていただいております。また、運輸局からの監査対応、事故が起こった際の事後対策等、運送事業に係る日々の業務課題、経営をサポートできる専門事務所です。

・都市型ハイヤー許可に関して詳しく見る

 

 

2.駐車場(車庫)の要件緩和は都市型ハイヤー事業を始めるにあたって大きなチャンスです

都市型ハイヤーチャンス
都市型ハイヤー事業を始めるにあたっては資金要件とともに駐車場(車庫)要件が厳しいため、要件を満たす物件を探すのに相当苦労していました。該当物件がないため、大阪交通圏であれば東大阪市、八尾市、堺市といった大阪市内の都心から車で30分程度離れたエリアで確保しなければならず、送迎のために市内のホテルまでの往復が大きな負担となっていました。2km以内の条件も満たさないため新たに営業所を設置しなければならずその費用も経営上大きな負担となっていました。今回の許可要件緩和により完全ではありませんが、駐車場(車庫)が探しやすくなり、有利な条件で駐車場(車庫)選定をすることができるようになっています。

・都市型ハイヤー許可に関して詳しく見る

 

 

3.車両と車両の間隔の要件緩和

都市型ハイヤー 車両と車両

旧基準
車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔を50センチメートル以上確保すること
新基準(令和5年(2023年)10月31日から)
営業所に配置する事業用自動車の全てを確実に収容できるものであること
新基準の確実に収容できるとは、駐車場の白枠内に入っておればよく隣接車両との間隔についての規定がなくなったということです。
この許可要件緩和がどれほどのメリットがあるかを具体例でみていきましょう。
<少し大きめの駐車場(車庫)スペース  長さ550cm  幅240cm>
都市型ハイヤー 車両の長さ・幅

3-①.ハイエースロングが駐車場(車庫)に入らない

普通免許で運転できる車両は乗車定員が10名以下になり、11人以上のマイクロバス型の車両の場合は、中型免許が必要になります。MAX10名乗車できるハイエースロングタイプが都市型ハイヤーに多く使用されています。乗車定員10名のハイエースロングタイプは長さが538cmあります。旧基準では、50cm以上の間隔が必要とされていたため、背面の壁から50cm離した場合、白線内の駐車場スペースから48cmはみ出してしまうため、駐車場(車庫)として使用することができませんでした。今回の緩和により白線内に収容できればよくなったためハイエースロングタイプでも駐車場(車庫)として使用することができるようになりました。
 
ハイエースロング
 

3-②.5台分の駐車場(車庫)に4台しか置けない

下記の駐車場(車庫)のケースを見ていきましょう。長さ550cm・幅240cmの5台分の駐車場(車庫)を賃借したとします。壁と車両との間、車両と車両の間に50cmの間隔が必要であったため5台の駐車場を賃借していた場合でも5台めは、幅160cm以下の車両しか置くことができなくなります。アルファードの場合、幅185cmですので4台しか置けませんでした。これが新基準では、50cmの間隔要件が撤廃されたため問題なく5台置くことができるようになりました。これにより既に都市型ハイヤーを行っている事業者でも、1台増車する場合に新たに駐車場を借りなくても間隔をつめて増車できるケースも出てきます。
 
アルファード5台置き
 

・都市型ハイヤー許可に関して詳しく見る

 

 

4.賃貸借期間の要件緩和

賃貸借期間の要件緩和

旧基準
土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること
新基準(令和5年(2023年)10月31日から)
土地、建物について1年以上の使用権原を有するものであること
駐車場(車庫)の賃借期間要件が3年以上から1年以上に基準緩和されています。普通借家契約で賃借する場合は、契約期間1年+自動延長条項ありの条件で借りるので問題ありませんでした。最近増えている定期賃貸借契約で賃借する場合は、2年契約+再更新なしの条件で借りる場合は、許可要件を満たしていませんでしたが、今回の規制緩和で1年以上となりましたでの、2年の定期賃貸借契約でも要件を満たします。

・駐車場(車庫)の賃借要件緩和について詳しく見る
・都市型ハイヤー許可に関して詳しく見る

 

 

5.その他の要件緩和

都市型ハイヤーその他の要件緩和

旧基準
他の用途に使用される部分と明確に区画されているものであること
新基準(令和5年(2023年)10月31日から)
原則として他の用途に使用される部分と明確に区画されているものであること。
②(新設)駐車場(車庫)を使用しない時間帯において他の用途として使用することが
できる
③(新設)他の施設の駐車場として供用されている土地を駐車場(車庫)として使用できる。
荷物置き場などと駐車場(車庫)を併用する場合は、明確に区画を分けなければならなかったのですが、これが努力義務に変わりました。駐車場(車庫)と荷物や備品の置き場が混在していても規定の台数分のスペースが確保されている場合は、駐車場(車庫)の要件を満たすことができます。
今まではなく新しくできた要件として、営業時間内でハイヤーが出払っている間は、荷物置き場として一時的に利用してもよいということになります。ただし、ハイヤーが戻ってきた際には、そのスペースは駐車場(車庫)として使用しなければなりません。あくまでも営業中に空いた駐車場(車庫)スペースを暫定利用して作業場として利用したりタイヤ交換など整備の作業を行えるということです。
もう1つ新しくできた要件として、他の施設の駐車場として供用されている土地を駐車場(車庫)として使用できるという点です。これは、ショッピングセンターの駐車場や立体駐車場などを想定しています。ただし、白ナンバーの車庫証明の基準に準じて、来客者が使用するスペースと区別されていなければ、駐車場(車庫)として使用できないと考えておいたほうがいいでしょう。

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6.都市型ハイヤーの許可は当事務所にお任せください

都市型ハイヤーの開業を考えておられる方は、ぜひ、行政書士 楠本浩一事務所にお任せください。都市型ハイヤーや介護タクシーといった旅客運送業に関して多くのノウハウを持っています。当事務所は許可を取って終わりではなく、許可を取得した後の経営サポート、コンサルティングができる点が他の事務所と比べて大きなメリットとなっております。
出張封印の特殊な資格も保有していますので、自家用ナンバー(白ナンバー)から事業用ナンバー(緑ナンバー)への切り替えの際に、わざわざ自動車登録検査事務所まで車両を持ち込まなくても、お客様の駐車場でナンバープレートの取り替え、封印を行うことができます。
許可申請の際のお客様の負担の軽減、許可後の諸手続きの代行、都市型ハイヤー事業開始後の経営アドバイス、運輸局の監査対策、さらにはISO取得サポートまでトータルで考えていただくと、当事務所が圧倒的にメリットがあります。ぜひ当事務所にお問い合わせください。 

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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。