①物流情報(貨物運送)

駐車場・営業所の賃借契約


最終更新日 2023年8月28日


運送業の許可取得の要件に駐車場・営業所は自己所有もしくは賃借しなければなりません。賃借の場合は契約期間が2年以上もしくは自動更新となっていることが必要です。
営業所を借りる場合の建物賃貸借契約には普通建物賃貸借契約(一般借家契約)と定期建物賃貸借契約の2種類があります。普通建物賃貸借契約の場合は、賃貸借期間(一般的には1年間)があるものの双方が解約を申し出ない限り自動継続となるように通常、契約書に記載されています。解約申し入れについては借地借家法で借りる側からは3か月前、貸す側からは6か月以上前に申し入れをしなければなりません。借地借家法で保護されており、強制的に退去させることができないため、借りる側に有利な契約です。
一方、定期建物賃貸借契約は、賃借開始時(契約時)にあらかじめ契約期間(2年とか5年とかを)を定めておき契約期間満了に合わせて退去することになります。引き続き契約を更新して借り続けることをお願いすることはできますが、借り続けることができるか、賃料がいくらになるかを決める権利は貸す側にありますので、貸す側の承諾がないと継続して営業所を使用することができません。また、契約期間途中で借りる側から退去を申し入れた場合には、残りの契約期間の賃料を払わなければならないのが一般的です。(そのような内容が契約に盛り込まれています)このように定期建物賃貸借契約は貸す側に有利な契約といわれています。
希望する営業所の物件が見つかったら不動産会社を通じで、できるだけ普通建物賃貸借契約(一般借家契約)で契約するよう交渉をしていただきたいのですが、借りる側が家賃を滞納したり、法外な立退料を請求したりするケースがあり貸す側も定期建物賃貸借契約でしか契約をしない、といったケースがあります。特に貸す側が大手の不動産会社や外資系の不動産会社の場合は定期建物賃貸借契約しか受け付けてもらえません。
やむを得ず定期建物賃貸借契約で締結する場合は、不動産会社に契約期間が終わったときに再契約を締結してもらえるかどうかを確認しておいてください。貸す側もリスクを回避するために定期建物賃貸借契約で締結しているのであって、再締結をしないという事ではありません。ただし、賃料その他の契約条件は契約期間満了後に契約再締結となりますので新しい条件での契約締結となります。
駐車場の賃借は、土地のみを借りるため借地借家法上、定期建物賃貸借の制度はありませんが、貸す側がこれに準じた契約書で契約をするように要請する場合があります。契約書の内容をきっちりと確認したうえで契約するようにしてください。
 

・運送業開業マニュアル

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 
 


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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。