運送業コンプライアンスマニュアル(物流2024年問題対応)
運送会社を経営されている経営者の皆様が、日々抱えておられるコンプライアンスの問題を解決するためのガイドマニュアルです。働き方改革関連法案の改正によるドライバーの残業規制(運送業2024年問題)、貨物自動車輸送安全規則の改正、運賃・料金の収受ルールの変更、ホワイト物流推進運動の展開など日ごろの運送業務や現場で直面しておられるコンプライアンス問題の解決方法についてマニュアル化しています。運送業の経営者の皆様はぜひ、一読お願いします。
【目次】
1.運送業界の現状
2.働き方改革関連法案の改正
3.2023年問題 中小企業の時間外割増賃金引上げ猶予の撤廃
4.運送業2024問題
4-1.運送業2024年問題 ドライバーの残業規制猶予の撤廃
4-2.運送業2024年問題に対する取組みのフローチャート
4-3.運送業2024年問題に対する具体的な取組み
4-3-1.トラックバース管理システム(予約受付システム)の導入
4-3-2.パレット等の活用
4-3-3.荷主からの入出荷情報等の事前提供
4-3-4.幹線輸送部分と集荷配送部分の分離
4-3-5.集荷先や配送先の集約
4-3-6.運転以外の作業部分の分離
4-3-7.出荷に合わせた生産・荷造り等
4-3-8.高速道路の利用促進
4-3-9.混雑時を避けた配送
4-3-10.モーダルシフト
5.運賃・料金の収受ルールの変更(平成29年11月4日 標準貨物自動車運送約款等改正)
6.貨物自動車輸送安全規則の改正(令和元年6月15日)
7.ホワイト物流推進運動の展開
8.改善基準告示:自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)
9.貨物自動車運送事業法の改正(荷主勧告制度)
10.迷った時には専門家に相談を
②国内貨物輸送量の推移(トンキロベース)
③トラックドライバーの労働環境
1.年間所得額は全産業と比較して、大型トラックドライバーは約10%低く、中型・小型トラックドライバーは約20%低くなっています。
<トラックドライバーの年間所得金額の推移>
2.年間労働時間は、全産業と比較して大型・中型・小型トラックドライバーともに約20%長くなっています。
<トラックドライバーの労働時間の推移>
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2019年4月から大企業に導入、2020年4月から中小企業にも導入された働き方関連法案の改正は労働基準法、雇用対策法など8つの労働関係の法律改正をまとめた総称のことです。内容に関しては①年間の残業時間の上限規制導入、②有給休暇取得の義務化、③同一労働・同一賃金などです。特に残業時間の上限は原則年間360時間(月当たり30時間)、例外で年間720時間(月当たり60時間)となっています。この残業規制が業界によっては到底達成ができないとして運送業(自動車運転の業務)、建設業、医師、沖縄県及び鹿児島県の砂糖製造業に関しては罰則付きの残業規制が2024年4月まで猶予されています。これが運送業2024年問題と言われている所以です。
<働き方改革関連法案の施行日・罰則一覧表>
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では、残業割増率が50%に引き上げられることになった場合にどれくらい経営に影響してくるのでしょうか。
<60時間を超える残業時間について25%増しから50%増しへ変更した場合>
残業時間120時間のドライバーに支払う人件費が約4.5%増加します。運送代金に占める人件費はおおよそ45%と言われていますので約2%の値上げを荷主に対して転嫁しなければなりません。
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4.運送業2024問題
2019年1-2月の調査によると、長距離ドライバーの約25%が月120時間以上の時間外労働をしているとされています。国土交通省や厚生労働省の狙いは、ドライバーの残業時間を削減して尚且つドライバーの賃金水準を維持する事ですので、当然ながら人件費がアップします。どれくらいアップするのかは下記の表を参照してください。
基本賃金が2000円/時から2400円/時へと20%アップします。運送代金に占めるドライバーの人件費はおおよそ39%と言われていますので約8%の値上げを荷主に対して転嫁しなければなりません。
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2024年に迫る運送業2024年問題は、運送会社1社だけで解決できる問題ではありません。同業の運送会社との連携、荷主企業や倉庫会社を巻き込んだ改善取組みが必要になってきます。具体的にどのようなイメージで取組みを進めていけばよいのかをフローチャートで説明していきます。
運送会社だけでなく荷主企業、倉庫会社等輸送にかかわる関係者が全員集まり意見交換できる会議体を設置します。1回限りで終わるのではなく問題意識を共有するため、定期的な意見交換を実施します。
時間管理のためのITツールの導入を検討します。運行中の労働時間のデータはデジタコ(デジタル式運行記録計)である程度把握できますが、積込み・荷卸しといった附帯作業や荷待ち時間の実態に関してはスマートフォンのアプリ等で実態を把握できるツール等を活用して労働時間のデータを収集します。
荷主企業の生産・出荷スケジュールや附帯作業、運送会社の運行計画・配車計画、到着地での受入れ体制や附帯作業を検証します。長時間労働の原因は発側の荷主企業にあるのか、到着地側にあるのか、荷主企業の生産工程に起因する荷待ち時間の問題なのか、積込み・荷卸しなどの附帯作業に起因する問題なのか、運行計画や配車計画の問題で長時間労働になっているのかなど、輸送工程のどの部分がボトルネックになっているのかを調べて、その原因を取り除くことが長時間労働の改善につながります。
輸送部分の工程は運送会社が担っているケースがほとんどですが、その他の工程は荷主企業や荷役作業会社が入って実施している場合もあります。荷主企業や荷役作業会社が担っている荷待ち時間や積込み・荷卸しなどの附帯作業が原因であれば運送会社の自助努力で改善することは困難です。業務内容の見直し改善に当たっては、荷主企業と運送会社が協力し合いながら、それぞれができることに取組んでいくことが必要となります。
長時間労働や荷待ち時間の改善に向けて荷主企業に工場内のレイアウト変更、ソフトウエアや物流機器の導入、作業手順の見直し等を行えば大きな成果が期待できますが当然、荷主企業にも負担が発生します。その成果を双方で享受しWin-Winの関係を築くためにも荷主企業との間で応分の費用負担を決めておきます。運送会社も一部費用を負担することによって継続的な改善の取組みが期待できます。
成果を測定するための指標を設定し、数字で示すことで成果の見える化を図ることが効果的です。荷待ち時間や附帯作業の時間、1時間当たりの処理個数、単位当たりの物流コストなどの目標値を設定し、達成度合いに基づいて改善効果を定量的に測定する方法をKPI(Key Performance Indicator)と言います。KPIを設定し問題点と改善に向けた意識を荷主企業・運送会社間で共有することにより高い成果が期待できます。
達成度合いを定期的にモニタリングしながらさらに改善につなげていくPDCA(Plan-Do-Check-Action)の手法を使いながらさらなる改善に取組んでいきましょう。
具体的には、Plan:実態把握に基づき改善計画と成果測定のための指標を作成し、Do:その計画に沿って改善を実行、Check:改善が計画に沿っているかどうかを指標に基づき評価、Action:指標が達成できていない部分とその原因を調べて、さらなる改善をおこなう、という4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する手法です。明確な目標を設定し、その結果を数値で示すことによって達成状況が見える化されるため、関係者間でスムーズな情報提供がなされ持続的な改善活動が可能となります。
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運送業2024年問題がなぜこんなに騒がれているのでしょうか。理由は運送業界の関係者の多くが対応困難と考えているからです。2024年までまだ時間があります。正攻法を積み重ねていくことによって健全な経営・ホワイト経営を実現していきましょう。
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倉庫での荷積み・荷卸し業務が先着順の場合は、早い順番を取るために多くのトラックが荷主企業の工場(倉庫)や到着地に必要上に早く到着する場合がありますが、受け入れ側の処理能力の制約があるため一定のペースでしか行えず結果として、長時間の荷待ち時間が発生する可能性が高くなります。このような場合にトラックバース管理システム(予約受付システム)を導入・活用してバース毎での荷役予定時間をあらかじめ決定することによりドライバーはその予定時間を見越した到着時間・運行管理を策定することができます。また到着地側の企業もその時間にあわせた構内作業のスケジュールを策定することができ、双方で荷待ち時間を削減することができます。運送会社にメリットがあるだけでなく到着地側の企業もトラックの到着時間に合わせた構内作業の効率化を図ることができます。
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手積み・手卸しによる荷役作業になっている場合では、荷主企業と調整してパレットを用いた積み卸しに変更することにより荷役時間を削減することができます。カゴ台車(ラック)等の輸送機器や折りたたみコンテナ、通い箱等の輸送用機器の活用によってもパレットと同様の効果を得ることができます。運送会社だけでなく荷主企業にとっても構内作業員の作業時間短縮につながりWin-Winの関係を築くことができます。パレット等の導入にあたっては荷主企業にイニシャルコストがかかりますので、導入後の管理コスト等について荷主企業との間で応分の費用負担を検討することがポイントになります。
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荷主企業の協力により、あらかじめ入出荷情報を運送会社、到着地側の企業等の関係者が情報を共有することにより、運送会社は事前に荷物の物量(㎥)を計算してどのサイズのトラックが何台必要かあらかじめ準備ができること、到着地側の企業も事前に入庫作業の準備ができることにより荷役時間や荷待ち時間の発生しない最適な運行を行うことができるようになります。発地側の荷主企業にとっても作業員や倉庫内のスペースを有効に活用できるなどのメリットを享受することができます。
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集荷から幹線輸送、配送まですべて同じトラックドライバーが行っている場合では、集荷を担当するトラックと幹線を輸送するトラックを分離して別のドライバーが行うことによりドライバーの拘束時間を短縮することができます。ただし導入に当たってトラックドライバーや庸車(下請の運送会社に依頼すること)の確保のためのコストが余分に発生する可能性があるため、荷主企業を交えた関係者間で運賃に関する検討が必要になります。
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集荷先や配送先が複数にわたっている場合は、荷主企業と連携して集荷先・配送先を集約することによって、ドライバーの拘束時間を短縮することができます。荷主側の企業にとっても集荷・配送の形態を変更することによりリードタイムの削減や在庫削減などの効果が期待できます。
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②荷主企業の協力もと庫内作業スケジュールの変更や庫内作業方法の変更によりドライバーの仕分作業が軽減できた事例もあります。
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当日出荷分のみ出荷バースに商品を置くような生産体制を確立することによりピッキング作業の減少により附帯作業の時間が大幅に削減されます。
②トラック毎に積込む商品を仕分けして出荷バースに商品を置くことにより、ドライバーのピッキング作業がなくなり積込み作業のみになります。
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②高速道路の通行許可が得られないような荷姿の貨物(長尺物など)は分割・折り曲げ等商品の設計を変更することにより通行許可が得られるようになる場合があります。
③8.改善基準告示:自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号) を順守できないような無理な運行になっている場合は、荷主企業としっかり交渉をして高速道路通行料金を負担してもらうことによりドライバーの拘束時間の削減に大きな効果があります。
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②到着地のお客様が個人の場合は、時間指定(10時に配送)ではなく時間帯指定(9時から11時の間に配送)を行うことにより、待ち時間の短縮を図ることができます。
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②関西方面~九州方面への輸送は瀬戸内海航路のフェリーを使用することで、フェリーに乗船している時間帯をドライバーの休憩時間にあてることができます。瀬戸内海航路は悪天候による欠航が極めて少ないため、イレギュラー対応なくスケジュールをたてることができます。
③トラック輸送に比べて海上輸送のCO2排出量は約1/3のためモーダルシフトは地球環境保全に大変有効です。多くの運送会社がモーダルシフトを活用してグリーン物流パートナーシップにより表彰をうけています。
<モーダルシフトの事例①>
<モーダルシフトの事例②>
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・運送業がコンプライアンスを順守するにあたって重要な制度・法律
5.運賃・料金の収受ルールの変更(平成29年11月4日 標準貨物自動車運送約款等改正)
2017年(平成29年)11月4日より標準貨物自動車運送約款等が改正されトラック運送における料金・運賃の収受ルールが変更になっています。主な改正点は下記の3点です。
①「運賃」と「料金」の区別の明確化
運賃は運送の対価であることを明確化し運送以外の役務等の対価を料金として明確に区別しています。
②「待機時間料」を新たに規定
荷主企業の都合による荷待ち時間の対価を「待機時間料」して規定しています。あくまでも荷主企業の都合で到着時間を指定した場合であって、トラックドライバーが早めに到着する場合は、この待機時間に含まれません。
③附帯業務の内容をより明確化
積込み・積卸し以外の業務を附帯業務といいますが、この附帯業務の内容に「棚入れ」、「ラベル貼り」、「横持ち」、「縦持ち」、「はい作業」(倉庫等において箱等を一定の方法で規則正しく積み上げたり崩したりする作業)が追加されました。
・荷主企業が行わなければならないこと
①運送会社と「運賃」と「料金」の価格体系に合意して契約を締結し、運送状(物を買う時の注文書に相当する書面)に運賃とは別に積込み・積卸し、附帯料金を区別して記載する必要があります。
②運送状に記載がない作業や荷待ち時間が発生した場合においても運送会社にその料金を払う必要があります。
・運送会社が行わなければならないこと
①新しい標準約款(平成29年11月4日改正 標準貨物自動車運送約款)を運送会社の営業所に掲示します。
②「積込み料」「積卸し料」「待機時間料」を新たに設置し、運賃・料金表の変更届出を営業所の最寄りの運輸支局に提出します。複数の営業所がある場合はそれぞれの運輸支局に提出してください。
③その他、時間外、深夜、休日等の割増しの料金体系及び燃料サーチャージについても明確に届出料金表に記載しておくようにしておいてください。
※標準貨物自動車運送約款とは、国土交通省が制定する運送会社と荷主企業の契約書のひな形のことをいいます。
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6.貨物自動車輸送安全規則の改正(令和元年6月15日)
このような状況を踏まえ、2019年(令和元年)6月15日施行で「貨物自動車運送事業輸送安全規則」が改正されています。主な改正点は下記のとおりです。
①対象となるトラック
車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上
②集荷地点・到着地点で積込み、積卸し又は附帯業務を実施した場合には乗務記録の記載対象として追加になります。
・荷主企業との契約書に荷役作業等が明記されている場合でも荷役作業等に要した時間が1時間以上の場合は記載対象となります。
・記載内容に対して荷主企業が確認したか、あるいは荷主企業の確認が得られなかったかについても記載対象となります。これによりドライバーに過度な要求をし、長時間労働を生じさせている荷主企業に勧告等を行うにあたっての判断材料となります。
③記載対象となる荷役作業が発生した場合は必ず「乗務記録」に記載し、最低1年間保存しなければなりません。
<運送+附帯業務・積込み業務のパターン事例>
<荷待ち時間・荷役作業等記録表>
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7.ホワイト物流推進運動の展開
有識者、荷主・物流事業者の関係団体、労働組合から構成される、ホワイト物流推進会議が設置され、ホワイト物流推進運動を展開されています。
また、荷主企業からは2021年7月末時点で1256社がホワイト物流推進運送に対して賛同し、自主行動宣言を提出して実施に取り組んでいます。
<ホワイト物流推進運動の取組み内容>
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8.改善基準告示:自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)
2013年10月 「安全管理体制の強化」 運送会社の罰則を強化
2014年 4月 「輸送の安全を阻害する行為の防止措置の実施について」 荷主企業勧告の運用強化
①拘束時間・休息時間の定義
②改善基準告示の拘束時間の限度
※1か月293時間以内の規制は運送業2024年問題をうけてさらに短くなることが予想されます。
③改善基準告示 フェリー乗船時の特例について
トラックドライバーはフェリー乗船時間を実質的に全て休息時間にあてることができ、労働時間は生じていない状況であるとして、2015年9月1日から、原則としてすべて休息時間として取り扱われることになりました。(厚生労働省通達)
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9.貨物自動車運送事業法の改正(荷主勧告制度)
2019年(令和元年)7月1日から施行された改正貨物自動車運送事業法では、荷主企業の理解・協力を得て、ドライバーの働き方改革・法令順守を進めるとして荷主企業への配慮義務・勧告制度が新たに追加されています。
荷主企業は運送会社が法令を順守して事業を遂行できるように、必要な配慮をしなければならないとする責務規定が新設されています。
・荷主勧告制度に従来の実運送会社だけでなく、軽貨物運送会社も追加されました。
・荷主企業に勧告を行った場合には、その旨を公表することが法律に明記されました。
・国土交通大臣は、違反原因行為(運送会社の法令違反となるおそれのある行為)をしている疑いのある荷主企業に対して、関係省庁と連携して、運送会社のコンプライアンス順守には荷主企業として配慮するよう働きかけを行います。
・荷主企業が違反原因行為をしていることを疑うに足りる相当な理由がある場合には、要請や勧告・公表を行います。
・運送会社に対する荷主企業の行為が独占禁止法(物流特殊指定)違反の疑いがある場合には公正取引委員会に通知します。
・荷待ち時間の恒常的な発生
荷主企業の都合による長時間の荷待ち時間が恒常的に発生⇒過労運転防止義務違反を招くおそれがある。
・非合理な到着時間の設定
適切な運行で間に合わない到着時間の指定⇒最高速度違反を招くおそれがある。
・重量違反となるような依頼
積込み直前に貨物量を増やすよう指示⇒過積載運行を招くおそれがある。
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迷った時には専門家に相談を
10.迷った時には専門家に相談を
多くの運送会社の経営者の皆様は人手不足とコンプライアンス問題に悩まれております。特にドライバーの残業規制(運送業2024年問題)は、待ったなしですぐそこまで来ています。当事務所は運輸・物流専門の法務事務所です。他社で成功されている豊富な事例をもとに皆様と一緒にコンプライアンス問題解決へとナビゲートしていきます。コンプライアンス問題は運送会社1社で解決できる問題ではありません。荷主企業や倉庫会社を交えた問題意識の共有、解決策の検討が必要です。場合によっては初期のソフトウエア導入などの初期費用の投資が必要になることがありますが、長期的視点にたって検討をすることが最も重要です。
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