④物流情報(その他)

支払総額=車両価格+諸費用


最終更新日 2023年11月27日



2023年9月7日(木)付の読売新聞及び朝日新聞の1面すべてを使って、一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会(以下、JU)、一般社団法人自動車公正取式協議会(以下、公取協)の両社名で消費者の皆様へと題した意見広告が掲載されています。内容としては、一部中古車販売店における不適切な行動が世間を騒がせていることに対して大変責任を感じているとして業界全体が謝罪の意を示しています。従来より、自動車を販売する際の表示と景品提供に関するルールとして自動車公正競争規約を策定し運用されています。
過去、中古車の販売において、走行距離計の改ざん(いわゆるメーター巻き戻し)が横行していましたが、全国のオークション会場を中心に走行距離計の履歴を蓄積管理しています。また、国土交通省との連携により電子車検証のICタグ内に記載するなどしています。このように業界全体を上げた不断の努力により、走行距離計の改ざんはほぼ皆無になっています。
昨今では、車両本体価格を安く見せかけて店舗へ誘導し、高額な諸費用やオプション費用を支払わされるような不信感を持たれる販売手法が一部で行われた事実についても業界団体として重く受け止めています。このような事実を受け、2023年10月1日から中古車の販売価格表示を購入時に最低限必要なすべての諸費用を含めた支払総額に変更するとしています。
支払総額=車両価格+諸費用
車両価格とは、店頭において車両を引き渡す場合の消費税を含めた価格で、展示時点で既に装着済の装備等(ナビ、オーディオ、カスタムパーツ等)を含む価格をいいます。また、中古車の品質に重要な影響を及ぼす定期点検整備及び保証を付帯して販売する場合は、その費用は車両価格に含めて表示されます。
支払総額に含まれる諸費用とは、自賠責保険料、自動車重量税、自動車税環境性能割等の税金(車庫証明、検査登録時の証書代含む)、登録等手続代行費用に限定されます。
諸費用として請求できない下記の費用は車両価格に含めて表示するとしています。
①中古車を販売するにあたり、当然行うべき作業にかかる納車前の社内清掃、洗車、ワックスがけ等の費用
②納車点検費用や納車整備費用等、その名称の如何を問わず、納車前の点検やオイル、バッテリー交換等の軽整備の費用、保証や定期点検整備が含まれる場合はその費用
③本来、車両価格に含まれるべき土日祝納車費用、販売手数料、陸送費用など  
中古車を購入する場合、展示車に記載されている金額を見ただけでは、いったいいくらになるのかわからない、特異な業界で他の業界の人から見るとどうしてもっと早く総額表示を取り入れなかったのかというのが正直な感想です。
ただ、業界全体も大きな決断をして総額表示の方向に舵をきったことは大きな評価を得られています。

私たちの行政書士の業界でも見積金額に大きな差がでて、時には倍くらいの値段差がでることがあります。これは、引き受ける業務の内容が異なるからで、ある人は安いけれど許認可を取得するところまでの価格提示、別の人は、倍くらいの価格になるが許認可取得から事業開始までのサポート、1年後の官公庁への実績報告まで含まれているケースもあります。
物品を購入する側、サービス提供を受ける側も金額だけで評価するのではなく、どこまで含まれた料金なのか、しっかりとサービス提供側に問いかけて総合的に判断していくことが求められています。一番安い事業者と契約したが、結局、追加料金が都度発生して、総額の支払が一番高くなってしまった。ということにならないように気を付けてください。当事務所では、総額払いを徹底しています。フルサービスの料金ですので事業を始めるまでの追加料金が一切かからないような設定になっています。運送業関連の許認可の場合ですと許可取得までが2/3、それ以降の工数が1/3くらい必要になります。この部分の判断は大変重要になってきます。

お知らせ

当事務所は、運輸・物流専門の行政書士事務所として、貨物運送業・利用運送業(第一種・第二種)、軽貨物運送業の許可・認可及び倉庫業許可・登録を行っています。運送業・倉庫業に興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせをお願いいたします。許認可取得だけでなく、開業後の業務運営や運賃設定、運賃交渉のやり方、元請運送事業者の紹介、法律で定められた書類作成の支援などをサポートさせて頂きます。

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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。