②物流情報(倉庫)

冷蔵倉庫の温度帯区分の変更


最終更新日 2024年2月10日


表紙 温度帯区分変更
国土交通省は令和6年1月31日付で、倉庫業法第3条登録の基準等に関する告示の改正を行いました。これは冷蔵倉庫(冷凍倉庫)の保管料の増加や電気料金の高騰等から過冷凍による保管品の品質劣化を防止し、電気料金を削減する目的から、従来の冷蔵倉庫の温度帯を細分化することになりました。
 

1.改正の背景

冷凍サーモン
冷蔵倉庫の温度帯については、倉庫業法第3条の登録の基準等に関する告示(平成14年国土交通省告示第43号)において温度体区分を定めています。近年、冷凍食品の保管料の増加や電気料金の高騰等の環境の変化が生じてるところ、保管料の高騰を抑制するため及び環境負荷の低減を図る観点から、従来の温度帯区分を細分化し、より適正な取引を促す必要から改正が行われています。
 

2.温度帯区分改正の概要

冷凍食品
冷蔵倉庫の基準、温度帯の区分を下記の通り細分化されています。
冷蔵倉庫の温度帯区分変更
従来のF2級、F3級と呼ばれるマイナス30℃からマイナス50℃までの冷凍倉庫の温度帯を10℃間隔から5℃間隔に変更しています。この温度帯で保管する食品は主に、肉、魚、冷凍食品、アイスクリームです。その中での用途によって保管する温度帯を細分化することによって使用する電力を最小化し、節電ができるようになります。
 

3.経過措置

冷凍庫の氷
経過措置として、既に登録されている営業倉庫については、当面の間、従前の取り扱いになるとされています。
 

4.まとめ

冷蔵倉庫②
このように温度帯を細分化できるようになった背景には、新築の冷蔵倉庫(冷凍倉庫)の供給が増えてきたことにあります。今までは、大手の食品メーカー関連会社や冷蔵倉庫専門の倉庫会社が冷蔵倉庫(冷凍倉庫)を建設していました。近年では、大手の不動産デベロッパーもマルチテナント型の冷蔵倉庫(冷凍倉庫)を建設しており、需要増に対応して冷蔵倉庫(冷凍倉庫)の建設が進んでいます。ただ、既存倉庫で老朽化している冷蔵倉庫(冷凍倉庫)も多く、新設倉庫ができたからといって保管スぺ―スの純増にはなっていないのが実情です。
 

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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。