休憩と休息の違いについて
自動車運転に従事する人は、ちょっとした気の緩みや居眠りなどが大きな事故につながる、危険と隣り合わせの職業です。それが故に、使用者側としてもドライバーに法律・法令で定められた休憩・休息を与え、心身ともにリフレッシュした状態で次の運転業務が行えるように環境を整えなければなりません。休憩・休息という言葉は同じ意味で使われがちですが、法令上はそれぞれ異なった意味で使われています。今回、この2つが法令上どのように定義されているかを説明していきます。
【目次】
1.休憩と休息の意味
2.労働基準法での休憩
3.休息はどの法令で使われているか
4.まとめ
1.休憩と休息の意味
コトバンクによると、
仕事や運動などを小時間中止して緊張を解き、心身の疲れを直すこと。ひと休み。とされています。すなわち、現在やっていることを一度中止して、ゆったりした気持ちで休んだりくつろいだりするという意味で使われています。
仕事などをやめて心身を休めること。くつろぐこと。とされていて休憩とは違い、一時的なこともあれば、数時間、長期間になることもあります。日常では、休憩は、仕事で一時的に手を休める時に使い、休息はしっかりと休む時に使います。
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2.労働基準法での休憩
労働基準法では、第34条で休憩について定めています。第1項で労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない、となっています。また、第3項で休憩時間を自由に利用させなければならない。となっています。一般的な企業でお昼休みは45分から1時間あり、時間外労働をする場合は、8時間働いた後に15分間の休憩が設けられているのは、労働基準法第34条に基づいて行われているという訳です。
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3.休息はどの法令で使われているか?
労働基準法、労働基準法施行令、労働基準法施行規則では、休息という言葉は使用されていません。
通称、改善基準告示と呼ばれる、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準では、第2条がタクシー、第3条がハイヤー、第4条がトラック、第5条がバス運転手に関する内容が規定されており、いずれの条文にも休息という言葉が使われています。トラック運転手に適用される第4条でどのように記載されているかを見ていきましょう。
第5項では、勤務終了後、継続11時間以上の休息期間を与えるよう努めることを基本とし、休息期間が継続9時間を下回らないものとすること。となっています。つまり、トラック運転手は、勤務が終了した後、次の勤務まで11時間以上、完全に自由な時間を与え、心身リフレッシュすると共に、家族と過ごせる時間を与えなさいということになっています。
改善基準告示では、休息期間のことを前出のコトバンクのとおり、しっかり休む時間のことを規定しています。
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4.まとめ
法令にも規定されているように休憩は短時間、休息は長時間に及ぶときに使われます。似たような言葉ですが、間違えないようにしましょう。
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