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ベテラン封印マンが現場に持参する出張封印7つ道具


最終更新日 2024年7月15日


ベテラン封印マン 出張封印7つ道具
駐車場でナンバープレートの取り付け・取り外しを行っている光景を見たことがありますでしょうか。出張封印の資格を有した人がお客様の駐車場まで出向いて、新しいナンバープレートに付け替え、後部のプレートの左上に都道府県の名前が記された封印を最後に取り付けます。そのような出張封印の資格を有するベテラン封印マンが現場に持ち込んでいる7つ道具を紹介していきます。
 

【目次】

1.ナンバープレートの封印とは
2.出張封印って何?
3.出張封印の必須道具
3-①.プラスドライバー・マイナスドライバー
3-②.スパナ
4.出張封印の7つ道具
4-①.電動ドライバー+ソケットビット
4-②.ラチェット
4-③.懐中電灯
4-④.ネジザウルス
4-⑤.KURE5-56
4-⑥.ハンマー
4-⑦.ドリルビット
5.あったら便利な道具
6.ロックナットボルトを外す場合
7.まとめ
8.お知らせ

 

1.ナンバープレートの封印とは

ナンバープレートの封印とは
ナンバープレートの封印とは、ナンバープレートを固定するねじの上に被せるアルミ製の蓋のことをいい、取付位置は車両後部の左上と決められています。東京都の場合は東、大阪府の場合は大、といったように当道府県を管轄する運輸支局が判別できる文字が入っています。ナンバープレートを変更する際には、運輸支局もしくは自動車検査登録事務所(以下陸事)内に限って、古いナンバープレートの封印を取り外すことができますが、新しいナンバープレートの封印の取り付けを行うことができません。運輸局の執行官が車検証と車台番号、ナンバープレートを照合したうえで、封印を行います。

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2.出張封印って何?

出張封印って何?
封印は、勝手に取り付けることができないため、中古車を購入したり、引越し等でナンバープレートの管轄運輸支局が異なった場合は陸事にわざわざ車を持ち込んで、執行官に封印を施してもらう必要があります。平日に忙しくてわざわざ陸事にいくことができない、複数台ナンバープレートの変更が必要であるが、車両を陸事に持ち込むことができない。といったニーズに答えるために、資格の有する者が陸事以外でも封印を施すことができる制度のことを出張封印といいます。出張封印の資格は行政書士など一定の職種の方が自動車登録の経験を積んだうえで効果測定に合格した場合に有資格者になることができます。封印の有資格者は、不正行為を防止するために厳しい管理のもとで出張封印を行っています。

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3.出張封印の必須道具

①.プラスドライバー・マイナスドライバー

ドライバー+3サイズ
ナンバープレートはプラスねじで取り付けられています。プレートの取り付け・取り外しは、プラスドライバーで行います。通常、家庭で常備しているサイズは+2サイズですが、ナンバープレートのねじは、一回り大きいので+3サイズのプラスドライバーを使いましょう。
古いナンバープレートを取り外す際に、封印を取り除かなければなりません。取り除く際には、マイナスドライバーを封印の蓋の部分に差し込んでテコのように動かして蓋を外します。封印の蓋を外した後は、中にあるプラスねじをドライバーで外していきます。このためにマイナスドライバーは必須道具です。
 

②.スパナ

すぱな10mm
新しいナンバープレートを取り付けると長期間、そのナンバープレートで走行します。走行中にナンバープレートが外れることがないように、頑丈に締め付けておきます。プラスドライバーで締め終わった後にスパナで増し締めを行います。この増し締めを行っていないと走行途中でナンバープレートが外れるということにもなりかねませんので、必ず増し締めを行いましょう。
 
 

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4.出張封印の7つ道具

①.電動ドライバー+ソケットビット

電動工具+ソケットビット②
複数台の車両のナンバープレートの取り付け・取り外しを行う場合は、手動ではなく電動ドライバーを使用することにより時間が大幅に短縮できます。電動ドライバーを使用する際は、トルクをかけすぎた(回転速度が速すぎた)場合は、ねじ山が潰れてしまい、ねじが空回りしてしまいます。ねじの取り付け・取り外しは、ドライバービットを使用するのではなく、ねじの頭の部分がすっぽり入るソケットビット(10mm)を使用してねじ頭の外側を覆って締め・外しを行いましょう。

②.ラチェット

ラチェット
ねじやボルトの締緩作業を行う場合は、スパナを用いるのが一般的です。ラチェットという、1方向にしか回らない器具を使用します。スパナの場合はねじを締めて手首が回らなくなると一度外し、再度スパナをねじに当ててねじ締めを行います。ラチェットの場合は、1方向に連続して回転しますので、スパナのように外すことなく、ねじ締めをすることができます。ねじ外しを行う場合は、逆方向に回転するよう切替レバーを操作します。

③.懐中電灯

軍用LEDライト
トラックの場合、車台番号が前輪のタイヤハウスの一番奥の部分に記載されています。駐車している方向によっては、タイヤハウスの奥側は暗く、明かりをともさないと車台番号を読み取ることができません。車台番号を確認するために懐中電灯を使用します。昔ながらの家庭用懐中電灯ではなく、軍用のLEDライトを1つ持っておくと重宝します。

④.ネジザウルス

ネジザウルス
ネジザウルスとは、株式会社エンジニア(大阪市東成区)が製造しているプライヤー(先端部分を開閉して物をつかんだり切断したりする工具)ことをいいます。ネジザウルスが最強なのは、ねじ山が潰れたり、錆びたりしたドライバーで外すことができないねじを上から垂直につかんで外してくれることです。最近では、従来のペンチ型タイプだけではなく、ネジモグラやネジバズーカといった重症の場合に対応できる機種も販売されています。

⑤.KURE5-56


KURE5-56とは、呉工業が製造している潤滑油のことで、潤滑・防錆効果があります。
皆さんも自転車のチェーンなどに使ったりしたことがあるのではないでしょうか。ナンバープレートのねじが錆びている場合に少量スプレーしてねじを外しやすくします。ねじの部分だけにスプレーして車にかからないように注意しましょう。

⑥.ハンマー

ハンマー
ここからは、緊急トラブルが発生した際の道具です。ナンバープレートを外す際にねじが古く、ねじ山が折れた場合の対処方法です。ボルトの部分だけが、ナンバープレートに固定されて残った場合は、何がなんでもボルトを外さなければ新しいナンバープレートを取り付けることができません。この場合は、ハンマーでたたくことによってボルト部分を外側に押し出します。

⑦.ドリルビット

ドリルビット
上記のハンマーと併用して使用します。ボルトが刺さったままの状態であるときは、ボルトと穴がピタッリサイズのため、ハンマーで叩いただけでは、ボルトが動きません。電動ドライバーにドリルビットを取り付けて回転させることによりボルトを削って、穴との間に隙間をつくります。ドリルビットは大きいサイズで粗削りして、小さいサイズで調整していくので複数のドリルビットを用意しておいたほうがいいでしょう。
 
 

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5.あったら便利な道具


<電動ノコギリ+鉄ノコ>
ねじ山が折れてボルトが残っている場合は、切断してしまったほうが早い場合があります。短時間で切断するには、電気ノコギリの先を金属切断用の刃に交換してボルトを切断してしまいます。

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6.ロックナットボルトを外す場合

ロックナットボルトとは、ナンバープレートの盗難防止用につくられた特殊なねじのことです。プラスねじのようにねじ穴がなく、ネジザウルスでも掴むことができず、専用工具を用いないと外すことができません。専用工具をダッシュボードなど車の中に保管しておくのですが、まれに紛失したりして、ナンバープレートが外せなくなる場合があります。絶対に外せるという訳ではありませんが、先ほどでてきたドリルビットでねじ山の外側を削って角形にします。その後ネジザウルスで挟んでボルトを回して外します。

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7.まとめ


出張封印が完了した後、車の窓ガラスをさっとふいてからお客様に完了案内をします。ガソリンスタンドで給油中に窓を拭いてくれるサービスと同じですね。リピートしてご依頼いただけるよう付加価値をつけたサービスに心がけています。

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8.お知らせ

お知らせ⑧
当事務所は、運輸・物流専門の行政書士事務所として、貨物運送業・利用運送業(第一種・第二種)、軽貨物運送業の許可・認可及び倉庫業許可・登録を行っています。運送業・倉庫業に興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせをお願いいたします。許認可取得だけでなく、開業後の業務運営や運賃設定、運賃交渉のやり方、元請運送事業者の紹介、法律で定められた書類作成の支援などをサポートさせて頂きます。

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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。