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軽貨物ドライバーは要注意・2024年の貨物自動車運送事業法の改正による安全管理者選任義務付け


最終更新日 2024年4月20日


軽貨物※安全管理者選任義務付け
4月10日に衆議院を通過し、まもなく法制化される改正貨物自動車運送事業法は、軽貨物ドライバーにとって注意をしなければならない内容となっています。今回は軽貨物ドライバーを対象とした貨物自動車運送事業法の改正点に関して解説していきます。

・この記事を書いた人

【目次】

1.軽貨物ドライバーとは
2.軽貨物ドライバーの働き方が社会問題化
3.軽貨物自動車の事故が増えている
4.貨物軽自動車安全管理者の専任義務付け
5.施行はいつから
6.軽貨物ドライバーをサポートいたします
7.この記事を書いた人
8.お知らせ

1.軽貨物ドライバーとは

<国土交通省 貨物軽自動車運送事業適正化協議会資料より>
軽貨物自動車の保有台数の推移
正式には貨物軽自動車運送事業と呼ばれ、スズキのキャリー、ダイハツのハイゼットカーゴ、ホンダのN-VAN等のバンタイプの軽貨物自動車を使用して運送事業を行うことをいいます。ナンバープレートは黒ナンバーと呼ばれる事業用の4ナンバー(一部5ナンバーでも可能)をつけています。1人・1台からでも事業を始めることができるため最近では、アマゾンフレックスなどの宅配需要とあいまって、軽貨物ドライバーの届出を行う人が増えています。国土交通省の資料によると2016年(平成28年)21.94万台から2021年(令和3年)には28.82万台と31.4%も増加しています。
 

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2.軽貨物ドライバーの働き方が社会問題化

1日の取り扱い量
1日の労働時間
国土交通省が軽貨物ドライバーに対して行ったアンケートによると、1日の取扱料が通常では100個未満が53%を占めているが、繁忙期になると100個以上が30%、1日に200個以上も配達する軽貨物ドライバーが26%もいると言うことがわかりました。新人の宅配ドライバーが1日がかりで配達できる貨物料が平均80個と言われていますから、200個以上配達するのはいかに大変で長時間労働をしていることがわかります。また、1日あたりの労働時間も11時間を超える割合が42%もあり、そのうち21%は13時間以上働いています。このように軽貨物ドライバーの労働時間の長さが社会問題化されアマゾン配達員が労働組合を結成したり、フリーランスのドライバーが労災認定されたりするケースが出ています。2022年には、アマゾンから委託を受けた運送会社が、運送業務への指示や制服の着用、予定外の配送を急に指示していることなどから、フリーランスではなく雇用契約にあると労働基準監督署が認定し、時間外労働手当を支払うように命じています。
 

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3.軽貨物自動車の事故が増えている

<国土交通省 貨物軽自動車運送事業適正化協議会資料より>
軽貨物自動車の事故件数の推移
軽貨物自動車の死亡・重症事故件数の推移
このような背景もあって、運転経験の浅い経過物ドライバーも多く参入してきたため、軽貨物自動車の事故が増えています。国土交通省の資料によると軽貨物以外のトラックでは、事故が減っているのに対し、軽貨物自動車の事故は2016年(平成28年)と2021年(令和3年)で比較すると26.3%も増えています。同様に死亡・重症事故も83.4%も増えており何らかの対策を行わないと事故の増加に歯止めがかからない状況です。

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4.貨物軽自動車安全管理者の専任義務付け

軽貨物の安全管理者義務付け

貨物軽自動車安全管理者制度
①安全管理者の専任を義務付ける。1人ドライバーの個人事業主は当面本人が行う
②選任時と2年に1度安全面に関する知識を学ぶ講習の受講を義務付け
③現段階では資格要件はないが、将来は試験などの資格要件が必要になる可能性がある
適性診断の受診が義務化
①軽貨物ドライバーを始めたとき、ドライバーを採用したとき
②65歳以上のドライバーは3年に1回受診
③事故を起こした場合
ネガティブ情報の公表制度
事故速報が必要な大きな事故をおこした場合や、行政処分を受けた際の情報が国土交通省のホームページ上にネガティブ情報として公表されます。
 

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5.施行はいつから

施行はいつから
法改正がおこなわれましたが、施行日は政令で定める日となっています。おそらく2025年(令和7年)4月から施行となるといわれていますが、まだ実施日がいつになるかは、これからの状況をみながら他の改正事項とあわせて国土交通省が判断することになります。
 

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6.軽貨物ドライバーをサポートいたします

当事務所は軽貨物ドライバーをサポートいたします
①軽貨物運送事業を始めたい、②アマゾンフレックスを始めたい、③軽バン自動車を購入したいがどの車種がいいのか、④任意保険にはどのように入ればいいのか等、これから軽貨物ドライバーを始められる方、現在軽貨物ドライバーをおこなっているが悩みを抱えている方について有償サポートを行っています。委託先の紹介も可能ですので、ぜひ、ご相談ください。
 

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7.この記事を書いた人

半笑顔(背景白)
大阪市で行政書士事務所を経営している楠本浩一と申します。20年以上、物流業界で仕事をしてきた経験から大阪でもほとんどいない運輸・物流専門とした事務所です。国際物流の仕事の関係で上海に住んでいたこともあり、上海で鍛えた得意の北京語を駆使して中国系の企業もサポートさせていただいております。貨物運送、旅客運送関係、倉庫や海外の物流関係でお困りごとがありましたら、ぜひ、ご連絡ください。

・「英語のできる法律家」として金融庁のホームページに登録されました
・行政書士 楠本浩一事務所のホームページTOP

 

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8.お知らせ

お知らせ②
当事務所は、運輸・物流専門の行政書士事務所として、貨物運送業・利用運送業(第一種・第二種)、軽貨物運送業の許可・認可及び倉庫業許可・登録を行っています。運送業・倉庫業に興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせをお願いいたします。許認可取得だけでなく、開業後の業務運営や運賃設定、運賃交渉のやり方、元請運送事業者の紹介、法律で定められた書類作成の支援などをサポートさせて頂きます。
 

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楠本浩一

楠本浩一

1965年8月兵庫県神戸市生まれ。同志社大学卒業。パナソニック㈱及び日本通運との合弁会社であるパナソニック物流㈱(パナソニック52%、日本通運48%の合弁会社、現パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱)で20年以上物流法務を担当し、現場経験を踏んできた実績があります。