【コラム】香港の自動車ナンバープレート事情(写真付き)
日本の自動車の取り付けられているナンバープレートは、普通車は白(自家用)、緑(営業用)、軽自動車は黄(自家用)、黒(営業用)ですが、海外の自動車に取り付けられているナンバープレートはどのようになっているのでしょうか。今回、香港のナンバープレートの実情について取材しましたのでレポートいたします。
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1.2種類ある香港のナンバープレート
日本では車を買うとナンバープレートの番号が決定されて、そのナンバープレートがつきます。車を廃車するとそのナンバープレートは欠番になります。ところが香港ではナンバープレートは人間に紐付きます。車を買い換えた場合でも、同じナンバープレートが別の車に着きます。
ナンバープレートの形態は、アルファベット2文字と数字が1から4文字つきます。ナンバープレートの字体は、太ゴシック体が基本ですが、街中を走っている車のナンバープレートは、丸ゴシック体など、標準字体でないプレートが存在します。
ナンバープレートは、前部が白色に黒文字、後部が黄色に黒文字となってます。横長で1列に配列されているプレートと、アルファベットと数字が2段に分かれて表示されるプレートと2種類あります。横長タイプは車にはめ込むもしくは両面テープ等で貼り付けたような状態で取り付けられています。2段タイプは、ナンバープレートの上2か所のマイナスねじで固定しています。横長タイプは乗用車やバスに多く、2段タイプはタクシーに多かったのですが、2つのタイプのナンバープレートの違いを何人かに聞いてみましたけど、わかりませんでした。引き続き調査して参ります。
①横長タイプ 前部 白色
②横長タイプ 後部 黄色
③2段タイプ 前部 白色
④2段タイプ 後部 黄色
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2.マカオのナンバープレート
マカオのナンバープレートも香港とほとんど同じです。ただ、こちらは前部後部とも黒色に白文字のナンバーになってます。香港のナンバープレートの車では、マカオ国内を走ることができないため、マカオのナンバープレートが必要になります。香港のナンバープレートとマカオのナンバープレートの両方をつけたダブルライセンス車が時々見られます。
①マカオのナンバープレート 前部
②マカオのナンバープレート 後部
③マカオと香港のダブルライセンスナンバープレート
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3.中国のナンバープレート
中国のナンバープレートは、トラックやバスを除く自家用車の場合は、省の漢字+アルファベット+英数字5文字で表されます。省を表す漢字は、北京市は京、上海市は沪、広東省は粤となっています。(北京市や上海市は直轄市のため省に所属しない)
広東省の場合は、粤に続くアルファベットが市によってきめられています。広州市が粤A、深圳市が粤B、珠海市が粤Cと定められています。粤Zが香港やマカオからの中国乗り入れ用のナンバープレートで、香港登録の自動車に割り当てられる粤Z+英数字4桁+港、マカオ登録の自動車に割り当てられる粤Z+英数字4桁+澳となっています。
中国のナンバープレート
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4.ダブルライセンスナンバープレート
香港のナンバープレートを付けた自動車は香港内でのみ通行可能で、マカオや中国本土に乗り入れることはできません。香港で登録された自動車が中国本土に行きたい場合は、中国でも登録して中国のナンバープレートを付ける必要があります。これを中国政府も認めており、ダブルライセンスナンバープレートと呼ばれています。中国語では、港車北上(ガンチャーベイシャン)と呼ばれ香港の車が中国内に入って北に向かうことができるという意味です。粤Z+英数字のナンバープレートが香港ナンバーの上もしくは下に取り付けられています。バスなどの大型車の場合は、横に並んで付けられている場合もあります。
①ダブルライセンスナンバープレート 前部
②ダブルライセンスナンバープレート 後部
③バスのダブルライセンスナンバープレート
中には、香港での登録車が中国だけでなくマカオでも走れるようにしたい場合があります。この場合は、トリプルライセンスといって3枚のナンバープレートがつけられています。
④トリプルライセンスナンバープレート 前部
⑤トリプルライセンスナンバープレート 後部
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5.封印はない?
日本の普通車の場合、後部のナンバープレートの左上部の封印を施します。これは、自動車のナンバープレートの取り外しを防止するとともに、車両の盗難や犯罪を防ぐ重要な役割があります。
香港のナンバープレート、マカオのナンバープレートはともに、封印はありませんでした。中国のナンバープレートは、前部・後部の上部2か所、合計4か所に封印が施されています。封印は、ナンバープレートの左側2文字(漢字+アルファベット)が表示されています。香港の中国本土乗り入れ車両の場合は、粤Zが表示された封印が施されています。
①中国のナンバープレートの封印
②粤Zのナンバープレート上部の2か所に封印が施されている
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6.やたらと多く見かけるテスラ車
香港市内を歩いていると多くのテスラ車を見かけます。ほとんどが2016年以降に販売されたモデル3と呼ばれる約35,000USドルで購入できるモデルです。この理由は香港の優遇税制が関係しています。車を購入する際には、自動車取得税(日本では環境性能割)が課されます。香港の場合は、国土が狭いため大量の自動車登録を制限する目的から高額の自動車取得税が課せられています。取得価格が150,000HKDまでが40%、その後段階的にあがり200,000HKD 以上の自動車の場合は最大115%もの自動車取得税がかかります。(1香港ドル=18.05円 2023年12月31日現在)
香港政府はEV車優遇のために2017年3月まで自動車取得税を課税しない特例措置をとりました。その時に一気にテスラ車が普及しました。現在は、優遇税制がなくなり通常の自動車と同じ税率になっているため、EV車の普及が伸び悩んでいるようです。
①白色のテスラ車
②グレー色のテスラ車
③紺色のテスラ車
④水色のテスラ車
⑤テスラ車のナンバープレート
⑥テスラ車のナンバープレートにはテスラのロゴが入っている
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7.この記事を書いた人
大阪市で行政書士事務所を経営している楠本浩一と申します。20年以上、物流業界で仕事をしてきた経験から大阪でもほとんどいない運輸・物流専門とした事務所です。国際物流の仕事の関係で上海に住んでいたこともあり、上海で鍛えた得意の北京語を駆使して中国系の企業もサポートさせていただいております。貨物運送、旅客運送関係、倉庫や海外の物流関係でお困りごとがありましたら、ぜひ、ご連絡ください。
・「英語のできる法律家」として金融庁のホームページに登録されました
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